国内の男子バレー界において、市場のシェアを二分しているのがアシックスのメンズバレーボールシューズとミズノのメンズバレーボールシューズです。両者は一見似ているようで、その根底にあるシューズ作りの思想と足入れ感には明確な差異が存在します。
アシックスは、神戸のスポーツ工学研究所(ISS)による膨大な動作解析データを武器に、力学的な推進効率を追求しています。シューズ内部に剛性の高い樹脂プレート(トラスティック)を配置し、踏み切り動作時の足のねじれを抑えてエネルギーを一方向へと集約させる設計が特徴です。アッパーのホールド感が極めて強固で、足全体を均一に締め上げるフィット感は、大型選手や強い踏み込みを多用するスパイカーから絶大な信頼を集めています。
対するミズノは、「素足感覚」と「しなやかな屈曲性」を最優先に設計されています。独自の波形プレート「ミズノウエーブ」により、クッション性と横ブレへの安定性を一枚のプレートで両立。前足部のアッパーが足の指の動きにしなやかに追従するため、床を足裏全体で掴むようなダイレクトな接地感が得られます。甲高幅広が多い日本人の足型(ラスト)に対するフィッティングの許容度が高く、履き始めから足に馴染みやすい点が部活生や幅広いプレーヤーに選ばれ続ける理由です。