しかし、この選択には小さくないリスクが伴う。ライフプランナーの佐藤氏は、「最大のリスクは、夫の突然の失職、病気、あるいは離婚といった『万が一』の事態に対応できないこと」と指摘する。長期間労働市場から離れた女性が、かつてと同等の条件で再就職することは、現在の日本の雇用慣行では依然として極めて困難だ。
さらに、老後の年金問題も重くのしかかる。厚生年金と国民年金の受給額の差は、老後の生活設計に決定的な違いをもたらす。現役時代の「専業主婦」という選択が、30年後の「老後貧困」の引き金になりかねないという冷徹な現実を、多くの専門家が警告している。