さらに視聴者の関心を惹きつけてやまないのが、骨太な映画作品群だ。その代表格とも言えるのが、映画『ある男』である。他界した夫の身元調査を依頼された弁護士が、男の正体を追ううちにアイデンティティの迷宮へと引きずり込まれていく。
主演の妻夫木聡が演じた弁護士の佇まいは圧巻だった。他人の人生の嘘を暴きながら、自身の足元も揺らいでいく苦悩を、繊細なまなざしで見事に体現している。単なるサスペンスにとどまらず、人は他者を本当に理解できるのかという普遍的な問いを投げかけるこのヒューマンドラマは、配信開始以降もロングランで視聴され続けている。