女性登山家で医師の真実|今井通子と大城和恵が拓いた命の最前線

女性登山家で医師の真実|今井通子と大城和恵が拓いた命の最前線

女性登山家で医師の真実|今井通子と大城和恵が拓いた命の最前線にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

警察庁が公表する山岳遭難統計によると、国内の山岳遭難件数は年間3,000件、遭難者数は3,500人前後の高水準で推移しています。特に中高年登山者の心疾患や脳血管障害による突然死、高山病の悪化による行動不能、滑落事故が後を絶ちません。こうした背景から、山岳医療の現場ではかつてない厳密なリスク管理が求められています。

現場の実態を知る山岳救助隊関係者は、次のように証言します。「山岳遭難の現場では、都市部の救急搬送と異なり、ヘリコプターが飛べない悪天候下では医師の到着までに半日以上を要することが珍しくない。国際認定山岳医のように、過酷な稜線上で自立行動ができ、かつ限られた装備でトリアージ(治療優先順位の判定)を下せる存在は極めて貴重である」

大城氏が開設を主導してきた山岳外来では、単に高山病予防薬(アセタゾラミドなど)を処方するだけでなく、運動負荷心電図検査や低酸素室を用いたストレステストが実施されます。標高3,000メートルの山小屋で急変した場合、ヘリ搬送の費用負担は民間保険の適用外であれば数百万円規模に達することもあり、事前に隠れた冠動脈疾患や不整脈を洗い出すことが、命と財産を守る最重要の防波堤となっています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。