彼女のキャリアにおいて、感情の到達点とも言える傑作が映画『そして、バトンは渡された』だ。血の繋がらない親たちから愛を注がれ、複雑な環境の中で育った主人公・優子。その繊細な心の機微を、押し付けがましくない誠実な芝居で見事に体現した。
血縁を超えた絆を描くこの上質なヒューマンドラマにおいて、彼女が流した涙は、観る者すべての胸を締め付けた。観客の琴線にダイレクトに触れるエモーショナルな表現力は、数多くの映画賞レースでも極めて高い評価を獲得。単なるアイドル女優ではない、本格派シネマアクトレスとしての確固たる地位を築き上げた瞬間だった。