学生街のショップを取材して見えてきたのは、絶対王者としての存在感を誇る株式会社イーストボーイの静かなる地殻変動である。かつてはジャストサイズで胸元に鮮やかな女神刺繍をあしらったスタイルが王道とされたが、現在の売れ筋は明らかに異なる文脈を描いている。
「以前なら考えられなかったほど、肩の落ちたルーズなシルエットや、淡くニュアンスのあるくすみカラーへの引き合いが強い」と話すのは、都内旗艦店のスタッフだ。定番のネイビーやオフホワイトに加え、チャコールグレーやミルクティーのようなベージュトーンが棚の主役に躍り出ている。象徴的なヴィーナス刺繍も、季節限定の配色やワントーンで馴染ませたさりげない仕様が選ばれる傾向にある。過度な主張を嫌い、全体の調和のなかで質感を際立たせる美意識が、現代のティーンに深く浸透している証左だろう。