陸上界を席巻するシューズテクノロジーの波は、走り幅跳びの現場にも確実に押し寄せている。ワールドアスレティックスが定めた厳格なソール厚規定の範囲内で、カーボンプレートの反発性と高弾性フォームを組み込んだ新世代スパイクが続々と開発された。助走でのエネルギーロスを最小限に抑え、踏み切り時の推進力へと転換する構造が科学的に追求されている。
しかし、道具の進化だけで7m52が破れるわけではない。最新のバイオメカニクス解析によれば、高反発スパイクの性能をフルに引き出すには、踏み切り脚の筋腱複合体に耐えうる強靭な補強が不可欠とされる。ギアの進化と人間の身体能力が真の意味で融合したとき、長年閉ざされていた歴史の扉が開かれることになる。