ヌートバー選手が披露したペッパーミルポーズの根底にあるのは、英語のスラングである「Grind(グラインド)」という概念です。
「Grind」という単語には本来、「(コショウや豆などを)細かく挽く・すりつぶす」という意味があります。そこから転じて、野球界やビジネスシーンでは「身を粉にして働く」「コツコツと地道に努力を重ねる」「泥臭く粘り強く結果を出す」という意味の慣用表現として広く使われています。どんなに苦しい状況でも決して諦めず、愚直に一歩一歩前進していく不屈の姿勢(グリット精神)を体現した言葉です。
つまり、塁上でコショウを挽く仕草を見せることは、「チームのために泥臭く粘って出塁したぞ」「もっと身を粉にして点をもぎ取ろう」という熱いメッセージを発信していることに他なりません。派手なパフォーマンスの裏に、徹底してフォア・ザ・チームに徹する真摯な野球観が凝縮されていたからこそ、目の肥えた日本の野球ファンの胸を深く打ったのです。