エルメスの二大巨頭として比較されるケリーとバーキン。1本ハンドルで端正な台形を描くケリーが「静寂と礼節」を重んじるフォーマルな名品なら、2本ハンドルで開口部が広いバーキンは「躍動感と寛容さ」を備えた存在だ。
ケリーはショルダーストラップを使って斜め掛けにしても構築的な美しさが崩れないが、バーキンは手や腕で直接持つことで、持ち主の肉体の動きとシンクロする。ハンドルが2本あるからこそ、歩行時の重心移動がしなやかに革へ伝わり、使うほどに持ち主の体型や癖に馴染んでいく。この有機的な変化こそ、バーキンを持つ最大の醍醐味といえる。