国も手をこまねいているわけではない。特定外来生物被害防止法に基づき、行政と研究機関が強固なタッグを組んで監視網を敷いている。侵入生物学の第一人者である国立環境研究所の五箇公一室長らは、早期発見と初動抑止の重要性を長年にわたり訴え続けてきた。
その中核をなす取り組みの一つが、「ヒアリ確定診断プロジェクト」だ。現場から回収されたサンプルの遺伝子解析や形態特定を即座に行い、迅速な防除命令へと繋げるシステムが機能している。水際での食い止めが突破された場合でも、科学的知見に基づいた精密なトレーサビリティによって面的な拡散を未然に遮断する試みが続けられている。