自動車における「音の存在感」は、カルチャーとしての映像作品においても欠かせない演出要素だ。荒廃した世界観を描いた傑作アクション映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では、全身を装甲で覆ったウォー・リグの巨大ホーンが鳴り響くたび、観客のシートを物理的に揺らすかのような重厚なサウンドデザインが施され、圧倒的な脅威として描かれた。
また、Netflixなどで配信されている話題の自動車ドキュメンタリー番組でも、世界各地のカスタムカーカルチャーがフィーチャーされている。そこでは、見た目の華やかさだけでなく、ホーンの音圧や独特の音色がいかにオーナーの個性を表現する重要なステータスであるかが活写されている。車と音の関係性は、安全のための警告手段という実用面を超え、独自の表現文化として深く根を張っているのだ。