原作の真鍋昌平が生み出した底知れぬ悪夢のようなキャラクターを、作画の伊東やすとが見事な筆致で躍動させた本作。二人のタッグが提示した肉蝮の造形は、単なるスーパーヒーロー的な不死身さとは根本的に異なる。
骨がきしみ、皮膚が裂け、内臓が悲鳴を上げるような生々しい痛覚描写が徹底されているからこそ、彼が立ち上がる瞬間の恐ろしさが際立つ。決してファンタジーに逃げず、人体の破壊描写を生々しく描き切ることで、「生物として異常な閾値を持つ人間」という説得力を獲得している。このリアリティの積み重ねが、読者に「死」を意識させつつも、怪物の不気味な生命力を信じ込ませる原動力だ。