錦糸町南口の路地を少し入った場所に佇む「喫茶ニット」は、東京の喫茶文化を語るうえで外せない金字塔だ。重厚な革張りソファ、飴色の木目壁、そして控えめに流れるBGM。一歩足を踏み入れれば、そこには昭和の時代から時計の針が止まったかのような贅沢な静寂が広がっている。
名物は注文を受けてから専用の銅板で約20分かけてじっくりと焼き上げる極厚のホットケーキだ。表面はサクッと香ばしく、ナイフを入れると中は驚くほどふんわりときめ細かい。上に乗せられた四角いバターが熱でゆっくりと溶け落ちる姿は、InstagramをはじめとするSNSで瞬く間に拡散され、若い世代をも虜にし続けている。単なるレトロブームの消費にとどまらず、長年培われてきた職人技と純喫茶ならではの温かいもてなしが、食べログの高評価とともに時代を超えて支持される理由だ。