常に赤天狗のお面を被り、決して素顔を見せない謎多き人物。その風貌は一度見たら忘れられない強烈なインパクトを与える。だが、彼が頑なに素顔を隠すのには、単なる個性の演出を超えた切実で悲しい理由が存在する。
かつて鬼に「顔が優しすぎて舐められる」という苦い経験をしたことが、彼にお面を被らせるきっかけとなった。鬼気迫る戦場において、優しさは時に命取りとなる。自らの甘さを捨て、鬼と対峙するための苦肉の策だったのだ。しかし、そのお面の裏に隠されているのは、凶暴な戦士の顔ではなく、慈愛に満悲しみを湛えた柔らかな表情である。強さと優しさをあわせ持つ彼だからこそ、傷ついた炭治郎の心を受け止めることができたのだろう。