日本の陶芸史は、伝統的な意匠を守る「伝統工芸」の世界と、作家個人の内面を投影する「現代陶芸」の世界が交錯しながら発展してきた。長谷川風子が実践しているのは、そのどちらのカテゴリーにも完全には収まらない、新しいイラストレーション・クラフトの領域である。
生活の中にアートを取り入れる現代の暮らしにおいて、彼女の存在は大きな影響を与えている。単に「可愛い」だけではない、一歩深みのある物語を刻み込んだうつわは、世代や国境を超えて高い関心を集め続けている。作品を通して語られるストーリーは、これからも多くの人々の食卓と心に、穏やかな余韻を残し続けるに違いない。