『初音ミクの消失』のイラストや世界観を探る際、ネット上で頻繁に見られるいくつかの誤解が存在します。正しく作品を理解するために、これらの盲点を整理しておきましょう。
最も多いのが、『初音ミクの暴走』と『初音ミクの消失』のビジュアルの混同です。どちらもcosMo@暴走Pによる代表作であり、高速歌唱が特徴ですが、テーマ性は明確に異なります。『暴走』はミクが自我を持って歌う喜びやハイテンションなパロディを含む「生とエネルギーの爆発」を描いているのに対し、『消失』は明確に「役割を終えて消滅する悲愴美」を描いています。初期のファンアートでは、この2曲の衣装や表情の差異が描き分けられていないケースが散見されましたが、公式設定資料やアルバムのアートワークでは明確に区別されています。
また、「公式イラストは左氏のものだけが唯一の正解である」という言説も一部で見られますが、これも正確ではありません。前述の通り、cosMo@暴走P自身の描いた元祖イラスト、左氏によるCDジャケット、夕薙氏による小説版、そしてセガおよびColorful Paletteによる公式ビジュアルのすべてが、それぞれのメディアにおける正史として位置づけられています。