俳優・阿部亮平の最大の武器である「ブレない体幹」と「凄みのある佇まい」は、学生時代に培われた過酷なアスリート経験に由来します。阿部は高校野球の超名門として知られる愛知工業大学名電高等学校(愛工大名電)の硬式野球部出身であり、甲子園を目指して白球を追い続けた本格派の高校球児でした。
大学進学後も野球を継続していましたが、転機となったのが2004年に放送された大ヒットドラマ『ウォーターボーイズ2』(フジテレビ系)のオーディションでした。鍛え抜かれた肉体と水泳シーンをこなす高い身体能力が評価されて出演を勝ち取り、本格的に俳優の道を歩み始めます。
そして彼の名を映画ファンの脳裏に決定的に刻み込んだのが、2007年公開の映画『クローズZERO』(三池崇史監督)です。鳳仙学園の伝説的カリスマ・美藤真喜雄(びとう まきお)役に抜擢された阿部は、鈴蘭高校との抗争シーンで圧倒的なオーラを放ち、原作ファンからも「イメージそのもの」と絶大な支持を獲得しました。現場を共にしたアクション監督や共演者からも「野球で培われた空間把握能力と反射神経があるため、立ち回りのキレが群を抜いている」と高く評価され、これが後のアクション・任侠・サスペンス作品での不動のポジション確立へと繋がっていきます。