組織崩壊の決定打となったのは、教祖自身の肉体的な限界と、彼らが狂信した予言の完全な外れでした。千乃裕子の死因は、2006年10月25日に福井市内の病院で確認された「悪性リンパ腫(末期がん)および多臓器不全」です。享年72歳でした。
千乃は長年にわたり自身の体調不良や痛みを「敵からのスカラー波攻撃による被曝」と信じ込み、適切な現代医療を拒否して白布による防護や移動(キャラバン)による被曝回避に固執していました。しかし、教祖の死という物理的な現実は、信者たちが信じた「至高の霊的指導者」という虚像を根底から打ち砕く結果となりました。
また、彼らが2003年春にキャラバン隊を激化させた根本的な動機には、天変地異と終末予言がありました。千乃正法会は「2003年5月15日に第10惑星(ニビル)が地球に最接近し、地軸が逆転(ポールシフト)して全人類の大半が滅亡する」と断言していたのです。
パナウェーブ研究所の解散理由は、まさにこの二重の破綻に集約されます。
- 予言の完全な不発:2003年5月15日が何事もなく平穏に過ぎ去り、教義の正当性が完全に失墜したこと。
- 絶対的カリスマの死:千乃裕子の死去によって求心力がゼロになり、莫大な移動費用や維持費を賄う資金源が途絶えたこと。