外気温が著しく下がる冬場は、パン作りにおける発酵トラブルが急増する季節です。室温が15℃〜18℃前後の環境では、レシピ通りの時間で発酵を終えることはほぼ不可能です。冬期における確実な発酵環境の作り方をマスターしておく必要があります。
現代の家庭製パンにおいて最も頼りになるのが、オーブンの発酵機能(スチーム発酵モード)の活用です。設定温度は生地の種類に応じて使い分けます。バターや砂糖を多く含むリッチな菓子パン生地は32℃〜35℃、シンプルな食パンやハード系は28℃〜30℃前後にセットします。温度が高すぎるとイーストの働きに対してグルテンが緩みすぎてしまい、焼き上がりの骨格が崩れる原因になります。
スチーム機能がないオーブンの場合、庫内の乾燥を防ぐために熱湯を入れた耐熱コップを庫内の隅に同席させるテクニックが極めて効果的です。これにより、イーストの活動に必要な湿度75%〜85%の多湿環境が擬似的に維持され、生地の表面が乾燥して硬化する現象を完全にシャットアウトできます。