イントロのドラムロールとホーンセクションが鳴り響いただけで、条件反射のように身体が揺れ始める。ZOOの大ヒット曲でありEXILEにも受け継がれた国民的アンセム「Choo Choo TRAIN」、そしてTikTokやSNSを起点にアジア全域で大リバイバルを巻き起こしたブラックビスケッツの「Timing」。これら日本のポップカルチャーを象徴するキラーチューンを手掛けたのが彼自身であるという事実は、音楽ファンの間ではもはや常識かもしれない。だが、改めてその構造を聴き直すと、単なる「流行歌」の枠を完全に逸脱している。
跳ねるシンコペーションと、自然と口ずさみたくなる普遍的なフック。ニュージャックスウィングの旨味を日本の歌謡メロディへ見事に落とし込んだ手腕は、職人芸というほかない。流行を消費し尽くす現代のタイムラインにおいて、30年以上前のトラックがこれほど新鮮に鳴り響く理由は、彼が楽曲に吹き込んだ「生身のリズムの躍動」そのものにある。