賃貸物件では、勝手に壁に穴を開けたり配線工事を行ったりすることが契約上禁止されているケースが大半です。大家や管理会社に相談しても「構造上工事が難しい」「費用は借主負担で退去時原状回復が必要」と断られることも珍しくありません。そのような環境下で取れる現実的な安全対策は3つあります。
最も推奨されるのが、「プラグ形漏電遮断器(通称:ビリビリガードなど)」の設置です。壁の通常コンセントと家電製品の電源プラグの間に挟むだけで使用できる市販の保護機器で、大手電設資材メーカーから3,000円〜4,000円程度で販売されています。アース線そのものを大地に接続するわけではありませんが、機器内部の漏電を超高感度(感度電流15mA・動作時間0.1秒以内)で瞬時に感知し、電気が人体を通過する前に電源を完全にシャットアウトします。工事不要で賃貸の退去時にもそのまま持ち出せるため、最も実用的な防衛手段と言えます。
2つ目は、離れた場所にあるアース端子からの延長接続です。例えばキッチン本体にはアース端子がなくても、少し離れた冷蔵庫用コンセントや洗濯機置き場にアース端子がある場合、市販の「アース線(IV線・太さ1.6mm推奨)」を購入して接続を延長できます。延長する際は、芯線同士をただねじってビニールテープを巻くのではなく、圧着スリーブや市販の「アース用中継コネクタ」を用いて確実に結線し、配線モール等で壁沿いに固定して踏み付けや引っ掛け事故を防ぎます。
3つ目は、家電の配置環境の見直しです。電子レンジや食洗機を湿気の多いシンク直近や水しぶきのかかる場所に置かず、可能な限り乾燥したラック上に設置することで、結露や水濡れによる絶縁破壊のリスクを物理的に低減させます。