フライパンで転がしている最中に肉が解けてしまい、ピーマンと肉が別々になってしまう現象は、ピーマンの肉巻き作りにおける最大のストレスです。この失敗を防ぐためには、食材の物理的な特性を理解した下ごしらえが欠かせません。
決定的な裏技は、「ピーマンの内側と外側に軽く小麦粉(または片栗粉)を茶こしでまぶすこと」です。ピーマンの表面はツルツルとしており、加熱時に水分が外へ滲み出ます。粉を薄く振っておくことで、この水分を糊(のり)代わりにして肉を強力に吸着させることができます。肉の内側ではなく、ピーマン自体に粉を行き渡らせるのが最大のポイントです。
さらに、巻き方と焼き始めにも鉄則が存在します。肉は少しずつ重なり合うように斜めに隙間なく巻き付け、巻き終わりを手で軽く握って全体を馴染ませます。そして加熱時は、必ず「肉の巻き終わりを下」にしてフライパンに並べ、最初に動かさず焼き固めること。タンパク質が熱で凝固して繋ぎ目が塞がり、途中で菜箸で転がしても決して剥がれなくなります。