中坊の凄みを象徴する代表的な闘いが、香川県豊島で起きた豊島産業廃棄物不法投棄事件である。大量の有害産業廃棄物が放置され、美しかった島と住民の生活が脅かされたこの大惨事において、彼は住民弁護団の団長を引き受けた。行政や企業が責任をたらい回しにする中、住民と共に現場に立ち、泥に塗れながら被害の惨状を世界に訴えかけた。
公害調停は長年に及び、幾度となく暗礁に乗り上げた。それでも「弱き者の声なき声を拾い上げることこそが弁護士の使命」と信じ、無報酬に近い形で情熱を注ぎ続けた姿勢は、今も地域住民の心に深く刻まれている。最終的に勝ち取った原状回復への道筋は、日本の環境運動史における不滅の金字塔となった。