結論から明かすと、「あっちょんぶりけ」という言葉に学術的な意味や外国語の直訳は存在しません。作中におけるニュアンスとしては、「びっくりした!」「なんてこと!」「ショック!」といった驚きや怒り、困惑を表現する感情の叫び(間投詞)です。
この摩訶不思議な響きを持つ言葉のルーツは、手塚治虫自身の家庭内での出来事にありました。手塚治虫のエッセイや関係者の証言によると、手塚家の妻や幼い子どもたちが、家庭内での悪ふざけやごっこ遊びの中で「あっちょんぶりけ」とおどけて発していたフレーズを、手塚がそのままキャラクターのセリフとして採用した経緯があります。
手塚治虫は日常の何気ない会話や家族の口癖を作品に柔軟に取り入れる天才でした。舌足らずで愛らしいピノコのキャラクター造形を固めるにあたり、家族の間で使われていたユーモラスな響きを持つ言葉が完璧に合致したといえます。