発熱時にPL配合顆粒を服用する際、絶対に確認しなければならないのが「ウイルスの種類」です。
特に「インフルエンザ感染時にPL配合顆粒を飲んではいけない」という事実は、医療現場で最も厳格に遵守されている鉄則の一つです。その根拠は、PL配合顆粒に含まれる「サリチルアミド」がアスピリンと同じサリチル酸系化合物である点にあります。インフルエンザや水痘(水ぼうそう)に罹患している小児や若年層がサリチル酸系薬剤を服用すると、急性脳症と肝臓の脂肪変性を引き起こす致死率の高い「ライ症候群(Reye's syndrome)」を発症するリスクが医学的に証明されています。
成人であっても、インフルエンザ感染時のサリチル酸系薬剤使用は「インフルエンザ脳症」の重症化リスクを高めるため、インフルエンザ流行期の原因不明の発熱に対してPL配合顆粒を安易に処方・服用することは禁忌とされています。
一方、「新型コロナウイルス(COVID-19)にPL配合顆粒は効くのか」という疑問に対しては、発熱や咽頭痛、鼻汁などの対症療法としては一定の緩和効果を発揮します。ただし、PL配合顆粒はウイルスそのものを死滅させる抗ウイルス薬ではありません。また、コロナ罹患時であっても胃腸障害リスクを避けるため、現在の診療指針ではサリチル酸を含まないアセトアミノフェン単剤(カロナール等)が第一選択とされるケースが主流です。
加えて、以下の特殊な背景を持つ患者層も服薬に際して厳格な制限を受けます。
・妊娠中・授乳中の服用:妊娠末期の投与は胎児の動脈管収縮を招く恐れがあるため禁忌です。またプロメタジンが母乳中に移行し、乳児に無呼吸や過度な鎮静をもたらす可能性があるため、授乳中も原則として服用を避けるか授乳を中断します。
・処方日数の限度:PL配合顆粒は感冒の急性期症状を抑えるための対症療法薬であり、漫然とした長期投与は認められていません。一般的には3日〜7日分程度が処方日数の上限目安とされ、それを超えて症状が持続する場合は他の重篤な感染症や細菌性二次感染が疑われます。
・緑内障・前立腺肥大症:プロメタジンの抗コリン作用により、急激な眼圧上昇(閉塞隅角緑内障の急性発作)や尿閉(尿が出なくなる状態)を誘発するため禁忌とされています。