黄金期を築き上げた最強チームが、なぜ部員募集停止という前代未聞の事態に追い込まれたのか。その直接の引き金となったのは、長年にわたり根絶できなかった部内の暴力問題と体罰の連鎖でした。
PL学園野球部には、伝統的に部員全員が専用の研志寮で集団生活を送るシステムがあり、上級生に下級生が専属で仕える「付き人制度」など独自の厳しい規律が存在していました。この閉鎖的な環境下で上下関係が極端に先鋭化し、2000年代以降、暴力事案が表面化するケースが相次ぎます。
特に決定打となったのが2013年2月に発覚した部内暴力事件です。上級生による下級生への暴力が日本学生野球協会に報告され、同年4月に6カ月間の対外試合禁止処分を受けました。過去にも2001年や2011年などに複数回の不祥事と対外試合禁止処分を経験していたPL学園に対し、高野連や世間の目はかつてないほど厳しいものへと変化していました。
暴力体質の抜本的改革が進まない中、学校法人および母体教団はこれ以上の不祥事によるブランドイメージ失墜を防ぐため、2014年秋に「2015年度以降の新規部員受け入れ停止」を電撃発表。この決断が、名門野球部の自然消滅へと直結することになりました。