メンテナンスカロリーを理解する上で避けて通れないのが、基礎代謝量(BMR)と一日の総エネルギー消費量(TDEE)の関係である。ハリス・ベネディクト方程式や国立健康・栄養研究所の計算式など、インターネット上には様々な自動計算ツールがあふれている。しかし、それらが算出するのはあくまで平均的な「統計データ」に過ぎない。
デスクワーク中心のエンジニアと、一日中歩き回る営業職では、仮に体重や年齢が同じであっても日常の熱生産(NEAT:非運動性熱産生)に劇的な差が生まれる。さらに、睡眠質やストレスホルモン、腸内細菌叢のバランスまでもが実際のエネルギー効率を変化させる。大まかなネット計算ツールだけに依存すると、数百キロカロリーの誤差が生じ、それが「食べていないのに痩せない」「なぜか太る」という謎の停滞の原因になっていたのだ。