誕生と死、神聖さと不気味さが表裏一体となったこの現象は、フィクションの世界、とりわけオカルト・ホラー映画の格好のモチーフとなってきた。外界から遮断された膜の中で蠢く生命のイメージは、観客に本能的な不安と禁忌の感覚を呼び覚ます。
例えば、悪魔の立ち位置や不吉な誕生を描いた映画『オーメン』シリーズの系譜や、近年の心理的ホラーの傑作とされる映画『ヘレディタリー/継承』のような作品群では、異常な形での誕生や血縁の呪いが物語の核として据えられている。膜に包まれた胎儿の形象は、時に異形の存在の降臨として、時に逃れられない宿命の象徴としてスクリーンに投影されてきた。
現代の映画・エンターテインメント産業において、こうした表現は単なる恐怖演出にとどまらない。生命が誕生する瞬間のグロテスクさと神聖さの境界線をあぶり出すための、極めて強力な視覚的レトリックとして使われ続けているのだ。