茂木氏の最大の武器は、外務大臣や経済再生担当大臣を歴任して培った圧倒的な政策遂行能力にある。現在の国家行政・政策決定プロセスが多党化と世論の分散によって停滞するなか、官僚組織をグリップし、複雑な利害を瞬時に調整できるリーダーシップへの待望論は根強い。
霞が関の幹部官僚の間でも、「茂木氏の要求水準は極めて高いが、決定のスピードと政策の整合性は群を抜いている」という評価は共通している。政策の停滞を「実行力の欠如」と位置づけ、自らを「国家運営の再建者」として位置づける戦略。これこそが、大衆迎合批判に対する茂木氏流のカウンターロジックだ。