私たちが暮らす日本には、重層的な地方自治の仕組みが存在します。日本の行政機構は、法律上の「地方自治法」に基づき、大きく「都道府県」と「市町村(および特別区)」の2つの層に分けられています。
このうち、住民にとって最も身近な行政機関として位置づけられているのが「基礎自治体」と呼ばれる市区町村です。戸籍や住民票の管理、子育て支援、介護保険、ゴミ処理、上下水道の整備、消防(一部地域を除く)、公立小中学校の運営など、日々の生活基盤に直結する行政サービスの大部分を担っています。
対する都道府県は「広域自治体」と呼ばれ、複数の市区町村にまたがる広域的な課題や連絡調整を担当します。具体的には、警察(警視庁・道府県警察)の運営、県道や一級河川の管理、高等学校や特別支援学校の設置、大規模な産業振興・都市計画などが該当します。
上下関係ではなく「対等・協力」の関係として設計されている点も重要です。基礎自治体が処理できない広域案件や高度に専門的な業務を都道府県が補完するという、明確な機能分担が成り立っています。