かつて蒲郡ふ頭11号岸壁は、愛知県内でも指折りの「車を横付けして気軽に竿が出せる好釣り場」としてガイドブックやSNSで紹介されてきました。三河湾の奥部に位置しながらも航路が浚渫されているため、群れが入ればサビキ釣りで良型のアジやサッパが束釣りになることも珍しくありません。初夏から秋にかけては、ファミリー層がサビキ仕掛けを投入し、足元で次々と銀鱗を躍らせる光景が日常でした。
また、岸壁のスリットや基礎周辺にはクロダイ(チヌ)が居着いており、落とし込み釣りやフカセ釣りのベテランが足繁く通うポイントとしても知られています。秋口から初冬にかけては、夕マズメから電気ウキやメタルジグを用いた夜釣りでタチウオやシーバスを狙うアングラーで賑わいを見せていました。現場で長年竿を出している地元アングラーは、当時の熱気と現在の変化について次のように証言します。
「昔は週末の夜ともなれば車がずらりと並び、夜通し電気ウキの灯りが海面に浮かんでいました。しかし、2026年から2026年にかけて荷役作業エリアの明確化とフェンスの厳格管理が進み、車で奥まで進入することは完全に不可能になりました。さらに作業用の水銀灯が消灯した後は完全な暗闇になり、トイレもないため、以前のような気軽さは皆無です。現在もルールを守って徒歩でアクセスし、短時間でアジを釣る人はいますが、一歩間違えればトラブルになる緊張感があります」
SNSや釣りコミュニティの書き込みを精査しても、「久しぶりに行ったらフェンスが閉まっていて入れなかった」「路肩に停めていたら警備員に厳しく移動を命じられた」という体験談が急増しています。魚が釣れるポイントとしてのポテンシャルは健在であるものの、レジャーを楽しむための許容度は年々急速に狭まっているのが紛れもない実態です。