あれから年月が流れ、2026年の今、吉村由美はどこへ向かっているのか。現場の動きを丹念に追うと、彼女が極めて意欲的な音楽制作の新プロジェクトに没頭している事実が浮かび上がる。ベテランの域に達しながらも、次世代のオルタナティブ・ロック系若手プロデューサーやトラックメイカーとのセッションを重ね、往年のPUFFYサウンドを現代風に再構築する実験を進めているという。懐古主義に逃げず、鳴らす音の鮮度にとことんこだわるのが彼女の流儀だ。
一方、スポットライトの外側にある私生活では、一人の母として、そして暮らしを愛する生活者としての充実した時間を何よりも大切にしている。早朝のランニング、親しい友人たちと囲む飾らない食卓、アートギャラリー巡り。かつて熱狂の渦中にいた彼女が手に入れたのは、誰にも侵されない穏やかな日常の呼吸だ。舞台裏のリアルな彼女を知るスタッフは、「昔と何も変わらない潔さと、年齢を重ねたからこその深い包容力が同居している」と語る。肩肘を張らずにステージに立ち続けるその姿は、同時代を生きてきたファンのみならず、現代の働く大人たちにとっても眩しい道標となっている。