分量を正確に測るだけでは、まだ満点とは言えない。プロが絶賛する最大の秘訣は、熱湯を注ぐ前に「少量の水で粉を溶かしておく」という工程にある。
やり方は驚くほど簡単だ。カップに入れたインスタントコーヒーに対し、ティースプーン1杯(約5ml)の冷水または常温水を加える。スプーンの背を使って粉と水をしっかり練り合わせ、濃縮されたペースト状に仕上げるのだ。このひと手間で粉の内部に含まれるデンプン質がなめらかに糊化し、粉っぽさや独特の角がある苦味が劇的に抑えられる。
練り上がったペーストに対し、一気に熱湯を注ぐのは禁物。理想の湯温は沸騰直後の100℃ではなく、一息置いた80℃〜90℃の範囲だ。高すぎる温度は焦げたような苦味を抽出してしまう。適切な温度のお湯を静かに注ぎ、優しくかき混ぜれば、まるで丁寧にハンドドリップしたかのような豊かなコクと澄んだ後味が広がる。