ルール上は12回で打ち切られる現在のプロ野球ですが、過去の記録を振り返ると想像を絶する死闘が刻まれています。公式記録に残るプロ野球延長戦の歴代最長記録は、戦前の1942年5月24日に行われた名古屋軍対大洋軍の延長28回です。試合時間は3時間47分(当時は投球間隔が極めて短かった)に及び、日没引き分けとなりました。
戦後・近代野球における最長イニング記録としては、1992年9月11日の阪神タイガース対ヤクルトスワローズ戦における延長15回・試合時間6時間26分が有名です。この試合は抗議による中断も含め、終了時刻は日付を跨いだ深夜0時26分でした。
日本シリーズに目を向ければ、2010年の中日ドラゴンズ対千葉ロッテマリーンズ第6戦で記録された延長15回・5時間43分(当時のシリーズ規定は15回まで)の激闘が記憶に新しいところです。このとき、ナゴヤドームのスタンドでは終電を気にして途中で席を立つファンと、歴史の証人になろうと最後まで残るファンが交錯しました。
SNSやネットコミュニティの声を集約すると、現代の延長12回制に対しても観戦者のリアルな叫びが存在します。
「10回裏あたりから、スマホで乗り換え案内アプリとスコアボードを交互に見つめる作業が始まる」
「ビジター遠征で終電を逃し、急遽球場周辺のネットカフェやサウナを探す羽目になったが、それも含めて忘れられない遠征の思い出」
ファンの情熱と生活防衛のせめぎ合いもまた、延長戦が持つ独特の人間模様といえます。