日本のプロ野球において、もっとも特殊な延長レギュレーションが適用される舞台が日本シリーズです。日本シリーズの目的は、セ・パ両リーグの代表が激突し「先に4勝を挙げた球団」を年間王者として決定することにあります。引き分けによって第7戦までに双方が4勝に届かない場合、シリーズは自動的に第8戦(以降、第9戦まで)へと突入します。
ここで発動するのが、ファンの間でも都市伝説のように語られる「回数無制限ルール」です。日本シリーズ運営規約において、第1戦から第7戦まではレギュラーシーズン同様に延長12回で打ち切られますが、第8戦以降は決着がつくまで何回でも試合を続行すると明記されています。降雨コールドなどを除き、どちらか一方がリードを奪って試合終了を迎えるまでイニングが無限に加算される仕組みです。
過去の球史を振り返ると、実際に第8戦が行われた実例は極めて稀です。1986年の西武ライオンズ対広島東洋カープの頂上決戦では、第1戦がスコア2-2の引き分けに終わり、その後3連敗を喫した西武が怒涛の4連勝を飾って「4勝3敗1分け」で第8戦を制し日本一に輝きました。また、2018年の広島東洋カープ対福岡ソフトバンクホークスでも第1戦が延長12回引き分けとなった経緯があり、関係者やファンを「もしや第8戦の無制限マッチに突入するのでは」と熱狂させました。