荒木飛呂彦が手掛ける世界的大ヒット作において、チープ・トリックほど異質な存在感を持つスタンドは稀である。宿主の背中に張り付き、他人に背中を見られた瞬間に宿主の命を奪って次の人間へと乗り移る。この極めて悪質な寄生能力が、物語の緊張感を一気に跳ね上げる。
本体であった乙雅三の死亡後、スタンドは自律的に行動を開始。岸辺露伴の背中に取り憑いたことで、露伴は「絶対に誰にも背中を見せてはならない」という極限状態に追い込まれた。部屋の壁に背中を密着させ、這うように移動する露伴の姿は、日常が一瞬で崩壊する恐怖を見事に表現している。