ナディア・リー・コーエンは1990年生まれ(2026年時点で35歳)、イギリス・エセックス州の自然豊かな農場で育ちました。ポップカルチャーや過剰な消費社会とは程遠い環境で幼少期を過ごしたことが、皮肉にも彼女の「古き良きアメリカへの渇望とオブセッション」を育てる原動力となったと本人は語っています。
ロンドンの名門ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでファッション写真を学んだ彼女は、在学中からその非凡な才能を開花させます。2011年、わずか20代前半で英国ナショナル・ポートレート・ギャラリー主催の権威ある賞「テイラー・ウェッシング写真肖像画賞」を受賞。これを機にアートシーンでの注目度が一気に跳ね上がりました。
大学卒業後は活動の拠点をロサンゼルスへと移し、ハリウッドの映画文化やB級シネマの美学を自らの制作へとダイレクトに吸収していきます。ロンドン仕込みの批評的な視線と、ロサンゼルスの乾いた陽光や退廃的なカルチャーが融合したことで、彼女独自の作家性が確立されることになりました。