デメリットや価格のハードルを乗り越えて漆喰を採用した居住者の多くが、口を揃えて称賛するのが「空気感の激変」です。単なる視覚的な満足感を超えた、物理的な機能性が日々の暮らしを支えています。
特筆すべきは漆喰の調湿効果と消臭効果です。漆喰の内部には微細な多孔質構造が広がっており、湿度の高い梅雨時には湿気を吸着し、乾燥する冬場には蓄えた水分を空気中に放出します。梅雨時に「室内の空気が肌にまとわりつく不快感がない」「洗濯物を部屋干ししても生乾き特有の嫌な臭いが全くしない」という声は、施工住宅の点検アンケートでも圧倒的多数を占めています。
消臭力に関しても、生活臭の代表格であるペット臭、料理後の油の臭い、タバコ臭などの有機化合物を吸着・分解する働きを持ちます。ある施主の手記には「知人を招いた際、犬を2匹飼っているとは思えないほど無臭だと驚かれた」と記されており、芳香剤や空気清浄機に頼らない快適な室内環境が実現しています。
さらに漆喰壁のメリットとデメリットを語る上で欠かせないのが「不燃性」と「光の拡散性」です。鉱物である漆喰は建築基準法上でも不燃材料として認められており、万が一の火災時にもダイオキシンなどの有毒ガスを発生させません。加えて、職人のコテ跡によって生じるわずかな凹凸が自然光や照明の明かりを乱反射させ、時間帯によって表情を変える柔らかな陰影を作り出します。工業製品では決して再現できないこの陰影美こそが、多くの人を惹きつける最大の魅力です。