『スウィングガールズ』や『ハッピーフライト』など、後に数々のヒット作を世に送り出す矢口史靖監督の手腕は、本作ですでに完成の域に達していた。日常のささいなズレから生まれるユーモアと、愚直なまでの青春の輝きを融合させる演出力は秀逸を極めた。
東宝とフジテレビジョンがタッグを組んだ製作陣は、地方の小さな実話から着想を得た物語を、極上のエンターテインメントへと昇華させた。王道の青春コメディでありながら、どこかシニカルで、それでいて最後には無条件の多幸感へと観客を導く構成力。この卓越したプロデュースワークこそが、2000年代以降の邦画界における青春映画のフォーマットを決定づけた。