コナンが工藤新一であると暴いたアイリッシュですが、その重大な事実を「あの方」やジンに即座に報告することはありませんでした。その背景には、組織内で実の父親のように慕っていた幹部「ピスコ(枡山憲三)」の死が深く関係しています。
ピスコは過去の事件(単行本24巻・アニメ176〜178話)において、暗殺の瞬間をカメラマンにスクープされた失態を理由に、ジンの手によって無慈悲に射殺されました。アイリッシュはこの粛清を「ジンの独断による身勝手な処刑」と捉え、ジンに対して激しい憎悪と復讐心を燃やしていたのです。
ジンが生存を確認せずに毒薬(APTX4869)で殺害したと報告していた工藤新一。彼が生きてコナンとして活動している証拠を確保し、生きたまま「あの方(ボスの烏丸蓮耶)」の前に突き出せば、ジンの致命的な重大失態を白日の下に晒すことができます。ジンを失脚させてピスコの無念を晴らすという復讐計画こそが、アイリッシュが単独で暗躍した最大の動機でした。