大手焼肉チェーンが軒並み値上げを実施するなか、なぜ安安は庶民的な価格設定を維持できるのでしょうか。その裏側には、緻密に計算された外食マネジメントとサプライチェーンの最適化があります。関係者への取材や業界データから判明した七輪焼肉安安の安さの理由は、主に以下の3点に集約されます。
第一に、徹底した一括仕入れと集中加工(セントラルキッチン構想)です。世界各国のサプライヤーからコンテナ単位で牛肉・豚肉・鶏肉を一括買い付けし、中間マージンを極限まで排除。自社専用の加工拠点でカットや味付けの工程を標準化することで、各店舗における仕込みの手間と廃棄ロスを最小限に抑えています。
第二に、店舗設備と省人化オペレーションの合理化です。テーブルごとに七輪を配置するスタイルは、高額な無煙ロースター付きテーブルに比べて初期導入コストやメンテナンス費用を大幅に圧縮できます。さらに、タッチパネル注文システムや配膳レーン・配膳ロボットの導入を進めることで、ホールスタッフの負担軽減と人件費の抑制を両立させています。
第三に、高回転率とアルコール出数による利益構造です。フードメニューの利益率を限界まで削って集客フックとしつつ、ドリンク類や食べ放題プランのボリュームゾーンで利益を確保する設計となっています。安さの裏には怪しいカラクリがあるのではなく、地道で高度な企業努力が積み重ねられています。