第二次世界大戦の敗戦と日本国憲法の公布は、長年続いた妾の歴史に決定的な終止符を打った。憲法第24条が掲げる「個人の尊厳と両性の本質的平等」に基づき、婚姻制度は根本から再構築された。
戦後の最高裁判所は、かつて結ばれていた「妾契約」について、公序良俗に反し無効である(民法第90条違反)とする厳格な司法判断を積み重ねた。生活費の支給や住居の提供を約束して妾関係を維持する契約は法的に保護されないことが明確に示され、制度的残滓は完全に断罪されたのである。
一方で最高裁は、非嫡出子(婚姻外で生まれた子ども)の権利保護については段階的な見直しを進めてきた。2013年には、婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分としていた民法の規定を違憲と判断。親の関係性がどうあれ、生まれてきた子どもの権利に格差を設けてはならないという現代的な人権感覚が法秩序の根幹に据えられた。