幕末から明治へと時代が激変する中、二代 清水喜助が歴史の表舞台に躍り出る。初代が培った伝統技法を受け継ぎつつ、洋風建築という未知の領域に果敢に挑んだ人物だ。
その金字塔と言えるのが、1868年に完成した「築地ホテル館」である。日本初の本格的な西洋式ホテルであり、和の木造技術と西洋の意匠が見事に融合した擬洋風建築として国内外に強い衝撃を与えた。風圧や地震に耐えうる補強構造を和風の骨組みに組み込むという斬新な試みは、近代日本の建築技術における重要な一歩となった。
外国人の設計図を解読し、日本の大工道具と職人の手技で西洋建築を現実に形にしていく工程は、手探りの連続だった。現場での飽くなき創意工夫が、近代国家としての日本の顔を造り上げたのだ。