高校野球ファンの夏にかかせない名物といえば、大会前に発売される各県の選手名鑑号だ。全国47都道府県の出場校、全メンバーの身長・体重・出身中学・打率・投球球種までがびっしりと詰まったページは、まさに取材陣の足で稼いだ血と汗の結晶と言える。
プロ野球のスカウト陣も、実はこれらの誌面を極めて重要な資料として重宝している。テレビ中継には映らない控え選手のプロフィールや、過疎地域の連合チームで奮闘する隠れたドラフト候補の存在は、全国に網の目を巡らせた現地記者の地道な聞き込みがなければ表舞台に出てこない。一冊の誌面に込められたデータ量は、地方の野球文化を支える貴重な歴史的記録としても機能している。