求積図(きゅうせきず)とは、文字通り「積(かけ算の答え=面積)」を正確に割り出すために作成される専門図面です。不規則な多角形になりがちな土地や建物の輪郭を、三角形や四角形といった幾何学図形に細かく分割、あるいは数学的な座標値を用いて、面積の算出根拠を誰が見ても客観的に検証できるように記載されています。
不動産や建築の現場において、求積図は大きく分けて「敷地(土地)に関する求積図」と「建物に関する求積図」の2種類に大別されます。国土交通省が定める建築基準法の手続きをはじめ、設計から登記に至るまで、以下に示す3つの面積を正確に割り出す役割を担っています。
建築実務で作成される主な求積図は次の通りです。
① 敷地面積求積図:対象となる土地全体の真の広さを確定させる図面です。建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)や容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)を算出する分母となるため、1平方メートル未満の端数であっても設計計画全体を左右する決定的な数値となります。
② 建築面積求積図:建物を真上から見下ろした際の投影面積(水平投影面積)を求める図面です。外壁や柱の中心線(壁芯)で囲まれた部分を基準に計算し、建ぺい率の法的上限に収まっているかを厳格に審査するために用いられます。
③ 床面積求積図:各階ごとの生活空間や利用スペースの面積を算出する図面です。延床面積の合計値は容積率の判定基準となるだけでなく、固定資産税の算定や不動産登記(建物表題登記)の基礎資料としても直結します。
これら3つの求積図を作成・提出することは、確認指定検査機関による建築確認申請において法的な数値をクリアしているかを判断するための必須要件です。建築士や土地家屋調査士が精密な作図を行うことで、施主や購入者は「法的に適正な建築物である」という確証を得ることができます。