かつて日本の大衆中華といえば、日本人の口に合わせてマイルドにアレンジされたレバニラや餃子が定番だった。しかし、ここ数年で風向きは完全に変わった。本場中国の現地そのままの味付けを提供する、いわゆる「ガチ中華」の波が居酒屋スタイルと融合。容赦ない辛さとシビれ、八角やディルのエキゾチックな香りが、喉を鳴らす酒乗りたちを魅了して止まない。
「最初は刺激の強さに驚きましたが、一度ハマるともう戻れません」。渋谷の路地裏にあるネオ中華店で、紹興酒ハイボールを手に笑顔を見せる30代の会社員女性は語る。四川のよだれ鶏、湖南の唐辛子炒め、新疆のクミン羊串。本物のスパイスが生む爽快感は、日常のストレスを吹き飛ばす特効薬として、現代人の心をつかんでいる。