物語の主人公・小川彰は、医師である厳格な父親のプレッシャーを受けながらも医学部受験に3度失敗し、将来を見失っていたお坊ちゃんです。失意の中で足を踏み入れた池袋の夜の街で、彼は運命の女性・杏子と出会います。彼女の美しさに目を奪われた彰は、吸い寄せられるようにキャバクラ「ジュリエット」に入店しますが、手持ちの金がなく高額な飲食代を支払えずに窮地に陥ります。
代金の支払いの代わりに選んだ道が、店で一番下っ端のスタッフ「黒服」として働くことでした。威圧的な先輩黒服からの理不尽ないじめや、嫉妬と欲望が渦巻くキャバクラ嬢同士の熾烈な派閥争いなど、昼の世界では想像もつかない理不尽に直面しながらも、彰は持ち前の観察眼と誠実さを武器に、次第にキャストやスタッフからの信頼を勝ち取っていきます。
クライマックスとなる最終回では、ライバル店舗「ゴージャス」の執拗な買収工作や店内での裏切り行為によって、ジュリエットは存亡の危機に立たされます。彰は仲間たちと結束して店を守るために奔走し、父親からの「医者への復帰」という最後通告をも拒絶。自身の生きる場所として夜の世界で頂点を目指す覚悟を決めます。
多くの視聴者が息を呑んだのは、憧れの存在であり続けた杏子との恋の結末です。最終回において、杏子は自らの過去に決着をつけてジュリエットを去る決断を下します。彰と杏子が安易に恋愛関係として結ばれるハッピーエンドではなく、互いにプロフェッショナルとして認め合い、背中を預け合う「同志」としての絆を胸に刻む幕切れとなりました。彰が黒服としての信念を胸にフロアへ歩み出すラストシーンは、一人の青年が真の男へと脱皮した瞬間を象徴する名場面です。