去年の古い灯油は使える?危険な変質の見分け方と正しい処分法

去年の古い灯油は使える?危険な変質の見分け方と正しい処分法

去年の古い灯油は使える?危険な変質の見分け方と正しい処分法について押さえておきたい 事実を分かりやすい構成で解説いたします。

変質した灯油を「もったいないから」と給油してしまうと、どのような被害が生じるのでしょうか。機器の構造と燃焼プロセスの観点から、その具体的なリスクを紐解きます。

第一のリスクは、石油ファンヒーター故障原因のトップに挙げられる「気化器(バーナー)の目詰まり」です。現代のファンヒーターは、液体である灯油を電気ヒーター等で瞬間的に加熱・気化させ、微小なノズルから噴射して燃焼させます。しかし、酸化・重合した変質灯油は揮発温度が高く、気化器内部に粘着性の高い「タール」や「カーボン(煤)」となって焼き付きます。これにより、点火不良(E02やE03などのエラーコード頻発)や燃焼中の突然の失火が発生します。

第二のリスクは、石油ストーブ不完全燃焼とそれに伴う一酸化炭素(CO)中毒です。芯(しん)上下式の石油ストーブに変質灯油を使用すると、芯の先端にタールが付着して硬化し、芯が動かなくなって緊急消火ができなくなるだけでなく、酸素と燃料の適正な混合比率が崩れて強烈な不完全燃焼を引き起こします。

経済的な損失も見逃せません。灯油1缶(18リットル=約1,800円〜2,200円)を惜しんだ結果、メーカー修理を依頼すれば部品代・技術料・出張料を含めて15,000円〜25,000円前後の修理費用が発生します。最悪の場合、基幹部品の供給終了により本体ごと買い替え(3万円〜6万円)を余儀なくされるケースも後を絶ちません。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。