異父兄弟である殺生丸と犬夜叉。ふたりの父である大妖怪・闘牙王が遺した二本の刀には、最初から残酷な仕掛けが施されていた。斬るのではなく命を救う慈悲の刀とされる天生牙。しかしその正体は、元々は鉄砕牙から切り離された一部であり、「冥道残月破」という恐ろしい破壊技を育てるためだけに存在する仮の器に過ぎなかったのだ。
殺生丸にとって、父から受け継いだ天生牙は己の誇りそのものだった。だが、自らの手で完成へと近づけた技が、最終的には半妖の弟である犬夜叉の鉄砕牙へと吸収・譲渡される定めにあったと知った時、彼の胸を襲った屈辱と困惑は計り知れない。父はなぜ、これほどまでに悲しく理不尽な遠回りを長男に強いたのか。