結論から明示すれば、犬に桃を食べさせても大丈夫です。ただし、それは「完全に熟した果肉のみを、細かく刻んで適量与える」という厳格な前提条件を満たした場合に限られます。日本獣医師会関係者や小動物臨床の専門家も、桃の果肉そのものには犬に対する直接的な中毒成分は含まれていないことを認めています。
桃の果肉は約89%が水分で構成されており、夏の暑い時期や散歩後の水分補給として極めて優秀な食材です。さらに、体内の余分な塩分を排出し細胞の浸透圧を維持するカリウム、腸内環境を整える水溶性食物繊維のペクチン、抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンEなど、犬のコンディション維持に役立つ微量栄養素が含まれています。
しかし、桃は犬にとって必須の総合栄養食ではありません。あくまで嗜好品(おやつ)の域を出ないため、栄養補給を目的として主食を置き換えるような与え方は本末転倒です。果肉を与える際は、喉に詰まらせないよう薄くスライスするか、スプーンの背で潰してペースト状にする工夫が欠かせません。